✩ Happy Hour ✩

読書とお酒をこよなく愛する私の生活

「つきのふね」 森絵都

 

今日は比較的気温も落ち着いて、

過ごしやすい一日でした。

 

きちんと感想を残そうとブログを立ち上げたのに、

読むスピードに更新が全然追いつきません…(笑)

 

 

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少し前に読み終わった

森絵都さんの「つきのふね」

 

思春期の懐かしさがありながら、

心にズシッとくるような小説でした。

 

1999年といえば、

ノストラダムスの大予言って、確かにあったなー!と今なら思うけど、

その当時小学4年生くらいだった私は

やっぱり結構怖かったような記憶があります。

 

 

主人公のさくらは中学3年生、進路のことも悩む時期ながら

あることをきっかけに親友の梨利と行き違ってしまう。

そんな彼女が心の拠り所にするのが不思議な青年、智さん。

二人が仲直りするのをなにより心待ちにしているお節介でちょっとしつこい勝田くん。

 

唯一の拠り所の智さんが静かに精神を病んでいってしまい、

梨利は不良グループから抜け出せなくなっていく…

 

そんな中、さくらはお節介な勝田くんに導かれながら

二人を救おうと奔走するー

 

 

 

物語のテンポも良く、とても読みやすい小説です。

中学生頃に読んでもよかったなーと思ったけど、

今読んだからこそあの頃の複雑な感情がよくわかるような気もします。

 

たとえば梨利のこんな言葉

 

ーあたしはちゃんとした高校生になれるのかな。

 ちゃんとした大人になれるのかな。

 ちゃんと生きていけるのかな。

 未来なんか、来なきゃいいのに。ー

 

未来に対する漠然とした不安。

 

大人になったって同じような不安を抱く時だってある。

だけどなんとなく思春期の頃の感情とはまた違っているような…

たくさんの選択肢が広がりすぎてどれが正解かわからない

若さ故の不安というか。

上手く言葉にできないけれど、

そんなことを考えさせられた本でした。

 

とても素敵な小説でした!