「説得」 ジェイン・オースティン
私がこの作品に出会ったきっかけは
映画「イルマーレ」でサンドラ・ブロック演じる主人公の愛読書だったこと。
映画のテーマも”時を越える愛”なので、
この本が重要なアイテムとなっています。
作者のジェイン・オースティンといえば、
なんと1816年の作品!
200年も前の作品だったんですね。
◇あらすじ◇
19歳の時に運命的な出会いを果たした主人公アン・エリオットとウェントワース大佐。
結婚の約束をする二人ですが、その当時ウェントワース大佐に財産はなく、
家柄を重んじる家族や周囲の人々からの大きな反対によって若いアンはついに結婚をあきらめてしまいました。
しかしその想いは消えることもなく、8年の年月が流れました。
27歳、再び二人は出会います。
容姿も性格も良く教養もある素敵な女性になったアンですが、既に適齢期を過ぎています。
再会したウェントワースは一財産を築き立派な男性となりましたが、以前アンにされた仕打ちを許すことができません。
そんな中でも、
やがて、8年の歳月の中で二人の中で変わらなかった想いを互いに気付いていく。
その過程の細やかな心の動き、不安。
様々な出来事を経てやっと二人は結ばれます。
大昔の貴族の恋愛物語に、
現代の感覚でも共感できる不思議。
例えば一瞬目があったとか、
その眼差しがどんなだったとか、
それによって揺れ動く繊細な気持ち。
ちょっとした仕草で不安になったり、相手のたった一言で幸せになったり、
恋愛を経験した人なら誰しも思い出してしまうような
そんな気持ちのアップダウン。
今も昔も変わらないですね。
名シーンはたくさんありますが、
特に、ウェントワースがアンに対する自分の想いにやっと素直になれて
密かに手紙を書く11章のシーンは美しくて涙なくして読めません!
ー僕はもう一度自分をあなたに捧げます。今の僕の心は、八年半前あなたに打砕かれたとき以上にあなたのものです。ー
キュン死に!
200年前も今も、純愛は素晴らしいものだなと思います。
人生に一度こんな素敵な恋愛をしたいものです…(笑)